フレグランスの世界では
香りを調合して理想の香水を作り上げる
プロフェッショナルを
「調香師」と呼び、
スパイスやウイスキーなどの世界においては
調合して理想の味わいを作り上げる
プロフェッショナルを
「調合師」と呼ぶそうです。
それらはともに、豊富な知識と芸術的なセンス、
そして針の穴に糸を通すような
一点の輝きを導き出す
一種の勘のようなものが必要とされます。

私が目指したのは、そういった
「香りを調合する」ジェラートでした。

香りをテーマにしたお菓子は世の中に
数多くありますが、
私は「香るモノを作る」のではなく
「香りを作るヒト」になりたかったのです。
それはまるで調香師のように、
香りの中に一点の輝きを見つけたい。
そういう思いで作り上げました。

「味覚と嗅覚は密接に関係する」
「味の感じ方はそれぞれの記憶に影響を受ける」
この二つの根拠から生まれた
香りの記憶にアプローチする
RAUのジェラート。
嗅覚の記憶に訴えかけることで
味の輪郭をより鮮明に
感じてもらうことが出来ます。

記憶はそれぞれの経験値。
私が作る記憶の中の香りはきっと
私にしかわからないけれど、
私の「記憶の中の香り」から新たな香りを
「発見」してもらい
わずかでも皆さんの記憶との共通点があれば、
記憶の中の香りを「共有」できる。
私の香りの記憶から、
みなさんがそれに新しい答えを
見つけ出してみてください。
それぞれが、それぞれの楽しみ方で
味わって頂けることを願います。

Chef Sachiyo Takagi